東海大学日本文学科は昭和40年(1965)石井庄司先生を主任教授として生まれました。国語学・国文学の伝統を受け継ぎながらその枠組みを超えて「世界の中での日本」文学を研究し教育する機関として「日本文学科」と名付けられました。今では珍しくもない名称ですが、創設当時は「文明学」を標榜する東海大学の国語国文学科として、明確に学問の方向性を示した新しい学科として歩みだし、今年半世紀を迎えたのです。
創設のころは、教員の個人研究室などなく、卒業論文ゼミも別れておらず、それは教員が研究室に引きこもることなく学問について意見をかわし、全員ですべての学生を育てる意思表明であったと聞き及んでいます。
学生とともに学び育つ
松前重義初代総長と石井庄司初代主任教授が植えた日本文学科の学問と教育は今なお葉を茂らせ美しい花を咲かせています。
創設50周年を迎えた平成27年(2015)度、文学部知のコスモス学科シリーズ企画として、わたしたち日本文学科の教員と学生の日々の姿を紹介していきます。
第一弾は「ほな、京都いこか―研修旅行、学生とともに―」
日本文学科創設以来、50年間欠かすことなく続けられてきた学科行事に「研修旅行」があります。
教室を出て、文学の生まれた風土を体験して理解を深める
そうして石井庄司先生は学生を連れ、萬葉集の風土、奈良・明日香の地を旅して歩いたのでした。
爾来この精神は代々に受け継がれ、多くの学生が奈良・京都さらには難波・近江を訪れ、教員とともに、平安京の大きさを歩いて知り、古里南都に歌を詠み、教員に導かれつつ日本文学の世界を知りました。教員も学生の力に押され新たな知見を得てきました。
卒業論文を抱えた四年生とともに汽車に乗った「研修旅行」も今は卒業論文のテーマ探しを始める二年生との旅になりました。
平成26年度(2014)は、桜ほころぶ弥生の末、京都に4泊5日で過ごしました。
学生とともに、先生と一緒に旅した記録を報告いたします。
展示会場:東海大学湘南校舎3号館4階文学部展示室
平成27年5月18日(月)~ 6月5日(金)午前9時―午後5時
(金曜は閉室時間延長・土曜、日曜は閉室)
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